FXの注文方法の種類って?スタイルに応じた使い分けや注意点も解説!

  • 2024年10月28日
  • 2024年10月31日
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「FX」は、少額の資金から取引することができる、外貨投資として人気の金融商品です。

昨今、円安や円高などの為替の動きに関するニュースを耳にする機会が増えましたね。FXって興味があるけど、どんな取引なんだろう?何から始めればいいんだろう?少しずつ勉強したい…。

そんな悩める初心者さんへ、本記事では「注文方法」の種類についてご紹介します。FXには様々な注文方法があり、スタイルや相場状況に合わせて使い分けをすることで、より納得した取引を進めることができます。それぞれの注文方法の仕組みや特徴、注意点までしっかりと解説します。

 

FXの取引で使う「基本の注文」とは?

FXには様々な「注文方法」があります。その中で基本となる注文方法は3つ、「成行注文」「指値注文」「逆指値注文」です。

この3つの注文方法がどのようなものなのかを理解することで、これらを応用した他の注文方法も使いこなすことができるようになります。

状況に応じて注文方法を使い分ければ、効率のよい取引が可能となり、為替レートが予測した方向と反対に動いた時、一定の資産を守ることができるようにもなります。

・成行注文(なりゆきちゅうもん)

成行注文とは、値段を指定せずに、その時のレートで注文する方法です。すぐに注文を行えて、売買が成立しやすいという特徴があり、今すぐ流れに乗りたいときや、今のレートですぐに決済を行いたいときなどに利用されます。

一方で、レートを指定していないため、注文から実際に約定するまでの間にレートが変わってしまう場合がある点に注意しましょう。
特にレートの変動が活発な場合は、発注したレートと約定するレートが異なる場合が多くなる傾向があります。

なお、FX会社によっては、注文時の確認画面が省略され、ワンアクションで注文できる「スピード注文」や「ストリーミング注文」が利用できます。

・指値注文(さしねちゅうもん)

指値注文は、現在のレートより有利なレートを指定し発注する注文方法です。新規の買い注文であれば、今のレートよりも安く、新規の売り注文であれば今のレートよりも高く設定します。注文後、相場が有利な方向に動き、設定したレートに達した時に約定します。

例えば、現在の米ドル/円のレートが140円と仮定し「価格がもう少し下がったら買いたい」と考えた場合、139円で「買いの指値注文」を出します。その後、相場が円高に進んで指定していた139円に達すれば、自動で買い注文が執行されます。

決済注文の場合、米ドル/円のレートが140円の状況で買いポジションを保有していると仮定します。「ある程度レートが上がったら利益を確定したい」と考えた際に、141円で「売りの指値注文」を設定したとします。その後、指定した141円に到達すると自動で売り注文が執行され、約定すると1円の利益確定となります。

指値注文は、有利になった局面でポジションを持つことができる点や、一定の利益を確保する決済注文が可能な点で便利と考えられますが、レートに達しなければ約定しません。特に現在のレートと大きく離れたレートを指定した場合、注文が成立する確率が低くなるため、注文レートをいくらで設定するかが重要になります。

・逆指値注文(ぎゃくさしねちゅうもん)

逆指値注文は、注文価格を指定する点は指値注文と同じです。しかし、指値注文とは「逆」に不利な方向に注文価格を指定する点が異なります。つまり、買い注文であれば「レートが高くなったら買う」、売り注文の場合は「レートが低くなったら売る」注文方法になります。

どのような状況で使うのか、具体例をあげて見ていきましょう。
現在の米ドル/円のレートが140円で上昇トレンドが続いていると仮定します。「価格がもう少し上がったら買いたい(このまま上昇トレンドが続いたら買いたい)」と考えた場合、141円で買いの逆指値注文を出します。その後レートが141に到達すると自動で買い注文が執行されます。
このように、上昇トレンド時に「買いの逆指値注文」、下降トレンド時に「売りの逆指値注文」を設定すれば、トレンドに沿った取引が可能です。

また、決済注文の場合は、損失を限定したい時に有効です。保有しているポジションの値動きが不利な方向になった場合、逆指値注文を設定することで損失を限定的にすることが可能です。
例えば、米ドル/円のレートが140円の状況で買いポジションを保有していると仮定します。139円で逆指値注文しておくことで、その後139円を大きく下回る相場になったとしても、レートが139円に達した時点で注文が執行され、損失の拡大をある程度防ぐことができます。

注意すべき点として、指定した価格に達すると注文が執行されますが、必ずしもその注文レートで約定する訳ではありません。相場が急変する場面で逆指値が執行されると、指定した価格と乖離して約定するケースも想定されます。そのため、逆指値注文をする際は、余裕を持った価格で設定することが重要です。

基本の注文を組み合わせた注文方法

また、FXでは3つの基本の注文方法を組み合わせた「複合注文」を使うこともできます。ほとんどのFX口座で使える「複合注文」には、「OCO注文」「IFD注文」「IFD-OCO注文」があります。

複合注文は、より緻密なポジション管理が可能になりますので、使いこなすことができればリスクの回避や損失防止に非常に有効です。

OCO注文(おーしーおーちゅうもん)

OCOとは「One Cancels the Other」の略称であり、名前の通り2つの注文を同時に出し、片方が約定するともう一方は自動的にキャンセルされる注文方法になります。

注文時のレートからポジションに対して有利な方向と不利な方向の両方に注文を出すことができるため、指値注文と逆指値注文の特徴を併せ待っていると考えることができます。

例えば、米ドル/円で140円の買いポジションを保有している場合、OCO注文で141円と139円のレートを指定して決済注文を出すと±1円で利益の確定と損失を限定する注文を同時に出すことができます。

IFD注文(いふだんちゅうもん)

IFD注文は、新規注文と決済注文を同時に出す注文方法です。新規注文と決済注文をワンセットで行うことができるため、自動で取引を完了できるという点で便利な注文方法といえます。

決済注文で新規注文よりも不利なレートを指定すれば逆指値の決済注文と同様の損切り、有利なレートを指定すれば指値の決済注文と同様の利益確定という振り分けも可能です。
なお、期日までに注文が成立しない場合は、決済注文は無効となります。

IFD-OCO注文(いふだんおーしーおーちゅうもん)

IFD-OCO注文はIFO注文とも呼ばれ、名前の通りIFD注文とOCO注文を併せた注文方法です。

IFD注文の決済注文でOCO注文を出す注文方法になり、「自身がポジションを持ちたいレートを指定しつつ、利益確定と損失限定の決済注文を同時に出したい」ときに使用する注文方法になります。

決済注文はOCOなので、どちらか一方が約定した場合にキャンセルされます。ここまで紹介した6つの注文方法の中で最も注文内容を細かく設定できる注文方法になります。

取引スタイルごとに適した注文方法を活用しよう

実際にどの注文方法で取引するかは投資家の判断になりますが、判断する上で重要なのは自身の取引スタイルとの整合性です。ポジションの保有から決済までの期間や保有するポジションの数量、取引する通貨ペアの種類、狙うリターンの大きさ等、様々な要素が挙げられます。

ここでは例として、4つの取引手法ごとに適している注文方法を紹介します。

・スキャルピング

数秒から数分で売買を行う取引手法です。相場の細かな動きを確認しながら売買のタイミングを素早く判断し、実行する必要があるため、時間優先ですぐに約定する成行注文が適しています。

・デイトレード

売買を数時間から1日単位で行うため、成行注文も有効ですが売買価格を指定できる指値、逆指値、OCO注文がより有効であると考えられます。

・スイングトレード

数日から数週間かけて売買する中期的な取引方法であるため、成行注文は適しておらず、売買価格を指定できる指値、逆指値、OCO注文に特化した方が効果的です。

・ポジショントレード

さらに長期スパンのポジショントレードの場合は、より細かく注文方法を指定できるIFD-OCO注文も有効な注文方法と言えそうです。売買の期間が長くなれば、相場の変動幅も広くなる可能性が高まりますので、条件を細かく指定する注文の活用が有効です。

FXにおける注文時の注意点

ここまで説明してきたように、FX取引では様々な注文方法があり、それぞれの特徴やメリットを理解したうえで使い分けると快適なトレードが可能となります。一方で注文時に気をつけるポイントもあるので、代表的な注意点を3つご紹介します。

誤発注に注意する

注文する際は、注文内容に誤りがないかしっかり確認するようにしましょう。注文方法や売買の方向、取引数量が注文したい内容になっているかを注文時の確認画面で一通り確認するように意識付けることで誤発注を防ぐことが可能です。

多くの場合、誤った注文内容でも約定してしまうと、その取引を取り消すことはできないので、誤った内容で注文してしまった場合は、すぐに反対売買などを行う必要があります。

スリッページが発生する場合がある

注文した価格と実際に約定した価格の差をスリッページと呼びます。相場は絶え間なく変動しているため、注文から約定するまでの僅かな時間でレートが変動すると、注文レートと約定レートに乖離が発生します。

FX会社によっては、注文する際に許容するスリッページの幅を調整することができるので有効活用してみるのもよいでしょう。

注文が成立しない場合もある

FX取引では、注文を出しても成立しない場合があります。
注文が成立しない例のひとつとして、先ほど述べたスリッページの許容値を設定していた場合には、成行注文時にレートが大きく動くと約定しない可能性があります。

また、指値注文と逆指値注文の場合、現状のレートと乖離した指値、逆指値注文なども注文が成立しない要因となります。

他には、市場の流動性低下等の理由により注文が約定しない場合もあります。著しく流動性が低下する場合は、レート提示が難しくなるケースが多いため、そのような場合には注文ができない状況となります。

その他、FX会社が指定する注文受付時間外の時間帯は注文ができません。原則、平日24時間取引可能ですが、メンテナンス時間等、注文できない時間がないかを事前に把握することが大切です。

まとめ

FX取引には様々な注文方法があるため、特徴やメリットを把握する必要があります。成行注文、指値注文、逆指値注文は基本的な注文方法に分類されるため、まずはこの3種類の方法をしっかりと理解することから始めましょう。

ただし、同じ注文方法でもFX会社によって若干異なるケースもあります。利用するFX会社の取引ルールも併せて確認してください。

それぞれの注文方法を理解し、どう使うかはご自身の取引スタイルなどをもとに検討してみることが大切です。

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