FXで発生するコスト

  • 2024年10月15日
  • 2024年11月1日
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FX

テレビの広告や、新聞など様々なメディアでFXという言葉を耳にした方が多いと思われます。しかし、為替の事だとぼんやり認識していても「FXって何ぞや?」「株取引とどう違いがあるの?」「リスクやコストは?」などはっきり理解をされていない方も多いと思います。難しい印象があるFXについて解りやすく説明していきましょう。

 

(1)FXとは?


まずFXとは、Foreign Exchangeの略で直訳すると海外の交換という意味になります。何を交換するのかというと円と海外の通貨(ドル、ユーロ等)を指し、これを正しく日本語に訳していくと外国為替証拠金取引という言葉になります。日本語に訳してもまだまだ堅苦しい言葉ですね。つまり、日本円と海外通貨を交換することによって生じる利益を狙っていく訳ですが、海外との取引によって発生する交換比率のことです。

例えばニュースで1米ドル140円などの言葉を耳にしたことがありますが、これは日本円で140円はアメリカで1ドルということになります。勿論、数値は固定されていることはなく相場は市場の売り手と買い手の動きのバランスによって常に変動しております。1ドル140円の時に、値段が上がりそうと予測した場合に買いポジションに回り、1ドル150円に増えたタイミングで支払いをすれば10円の利益が出てきます。このように変動で出た差額で得られた利益を狙うのが一般にいうFXになります。

ちなみに株は証券取引所に上場している企業株を対象として投資を行うことになります。FXと株の違い、FXとはどういう事か理解して頂けましたでしょうか?

 

(2)FXで発生する取引コスト

FXの概要について理解して頂けた所で親しみを持って頂きたく、更に深い所まで探っていきます。

①スプレッドとは

いわゆるスプレッドとは取引内で生じた手数料の事を指します。ただ手数料と言っても一般的に言われる手数料とは異なり売価(Bid)と買価(Ask)の差額を指します。FXでは取引ツールを見て頂くとBid(売価)とAsk(買価)の間にこの差額を意味するスプレッド(pips・銭)が表示され投資をされる方の取引コストになります。日本ではFX会社の多くは取引手数料を取らないもののスプレッドは必ず取引毎にかかってきます。基本的に買価は売価よりも高くつき、売価は買価よりも安く提示されております。

例えば売価が1ドル140円で買価が150円だったらスプレッドは10円となり、買価が145円になればスプレッドは5円となります。前者の買価はコストが大きく後者の方が小さい事がわかりますね。前者のような状態を広い、後者のような状態を狭いと投資家の間では呼ばれていて、この差額が狭いほど投資家には有利になってきます。

FXでは会社によってスプレッドが異なり、要因として❶FX会社の手数料、❷注文などの速度、❸FX会社に流動性を提供する業者(銀行などの金融機関)ごとの配信率の違いなどがあげられ、スプレッドが狭い会社の方が低いコストで取引が出来ます。そう考えると差額の低い会社を選びたくなりますよね?このように投資家によってスプレッドの大小はFX会社選びの差別化要素になりFX会社は投資された取引コストが収入源となっていきます。

スプレッドの原則固定をしている会社も多く、これは相場の変動に関係なく一定のスプレッドが供給されている状態となります。基本は安定しているもののクリスマス、年末年始、日本時間の早朝など市場の取引が少ない場合、重要な経済指標の発表される前(※1)、急な有事が起きたなど臨時の場合(※2)などは原則固定といえ価格変動が大きくなりますので注意が必要です。

※1、重要な経済指標の発表される前


重要な経済指標というのは経済の中心であるアメリカの雇用統計であり毎月第一金曜日に発表されます。またCPI…いわゆる消費者物価指数(小売価格の変動を調査し算出した経済指標)の発表時である。これは対象月の翌月15日前後の午後9時半(冬時間は午後10時)に行われます。

※2 急な有事が起きた主な事例

バブル崩壊

好景気で過熱した市場では不動産業者が地価を上げるという地上げ行為が目立ち、持ち主が固定資産税や相続税に圧迫され退去せざるを得なくなるという問題が出てきました。そこで政府は高騰しすぎた株価の水準を調整するという政策を1989年に出しました。具体的には銀行の不動産融資の制限をし地価税の調整をするものです。しかしこれは地価・株価の暴落を招き銀行は不良債権(貸し出した債権が倒産などの理由で回収ができなくなったり遅れてマイナスになってしまう事)で融資が難しくなり、それが原因で会社経営が困難になり倒産が続出。そうなると消費者のお財布も固くなるというデフレスパイラルが起きました。

9.11同時多発テロ

2001年9月11日、アメリカ・ニューヨークにあるワールドトレードセンター2棟に中東の国際テロ組織アルカイダが乗っ取った旅客機が突っ込みビル2棟は跡形もなく崩壊してしまいました。名前から想像されるように、ワールドトレードセンターには金融会社・貿易会社・保険会社・政府機関・保険会社など経済の要となる企業がたくさん入っておりました。言うまでもなく、このテロによって世界経済の中心・米国市場は3日間閉鎖され、NYダウは下落し、世界的な株安となり金融市場は大混乱となりました。勿論、アメリカ経済は日本にも影響し日経平均は6.6%下がるという事態が起きてしまいました。

リーマンショック

2008年9月15日、アメリカの一流投資銀行「リーマンブラザーズ・ホールディングス」がサブプライム住宅ローン(アメリカの信用度が劣る低所得者向けの住宅ローン)を推し勧めていたものの住宅ローン危機の損出拡大により経営が破綻してしまいました。その負債額は64兆円にもなり、世界において連鎖的な金融危機が起きました。この経済危機が原因で日本でも派遣切りと呼ばれる非正規雇用者の雇用契約を解消してしまう事態が大きな問題となりました。

コロナショック

2020年に中国から世界的に流行した「新型コロナウィルス」により感染拡大や医療機関パンクを抑えるためにイベントや外出の自粛モード、入国規制・ロックダウン政策が行われ経済には大きな打撃があった。ダメージが大きかった業種としては飲食業・宿泊業・美容業・娯楽業・観光業・冠婚葬祭業などが挙げられます。この影響により欧米や中国、日本、インド、ブラジルなどの主要国での株価暴落しNYダウ平均株価は3割落ちたといわれております。

…このように各国の政治や人間の動向により雇用関係・物価関係・金利関係・景気関係の四つの経済指標は変動していきます。FX取引を行う上では政府が発表する経済指標から分析する事が重要になってきます。

 

②レバレッジとは


レバレッジとは翻訳すると「てこの原理」です。名前の通り少ない金額で担保として証拠金を投資して、大きな金額で返ってくることを指します。投資家たちは効率を上げるために手元金の数倍で取引を行い収益を高めています。

レバレッジの良い所は投資した金額の何倍もの金額が戻ってきますが、悪い点としては高すぎるレバレッジで取引すると上手くいかなかった場合の損出は大きく返ってきてしまうというリスクも付き物となってきますので、欲を出して高すぎるレバレッジの取引は避けましょう。

リスクの対策としてロスカットを意識される事も必要不可欠になります。ロスカットとは損出拡大を防ぐ制度の事を言います。ロスカットを設けなかった場合は預けた証拠金以上の損出が出てしまいます。…それは投資する側としては避けたいものですね。ロスカットを設けていれば決済で損失は確定されていても、急に大きな価格変動が起こらない限り最低限の資金は温存されます。それではレバレッジとロスカットの計算方法を出していきましょう。

レバレッジの計算方法

(現在の為替レート×取引数量)÷証拠金

ロスカットの計算方法

ロスカット=必要保証金×100%

必要保証金が100%を下回った場合にロスカットはされます。

ただしロスカットを設けたからと言って、価格変動や週明けに取引が再開された場合に前の週の終値から大きな乖離が起きるとロスカットが間に合わず損出してしまう事もあるので注意も必要です。損出リスクを避ける為にはレバレッジを低くするのは勿論の事、口座に追加入金をしたり、ポジション(自分の通貨の売買の状態)を決済して損失を自身で確定する損切りを行いましょう。

③スワップポイントとは

スワップポイントとはざっくりというと売買が行われる二国間の低金利通貨と高金利通貨の金利差の事を言います。低金利通貨を売って高金利通貨を買われる場合は利益になりますが、逆の場合はマイナススワップと呼ばれております。利益だけでなく金利によりプラスマイナスが逆転したり、売り買い両者がマイナスになってしまう場合もあります。FV会社によってスワップポイントは異なるものの世界の大半の通貨は日本円より金利が高いため、外貨で受け取り外貨の金額を最後に円換算します。外貨はFX会社で自動的に保有ポイントを決済しドルを受け取る期日を1営業日先延ばしをする取引が行われます。

スワップポイントを狙う良い点としては通常の利益+資産保有をすることによって得られる利益の二つが入ってきます。スワップポイントは保有する日数に応じて積み上がりますので長期での利益を狙うのに良いとされます。

しかしマイナススワップになってしまった場合はその金利差を支払わなければなりません。さらにスワップポイントは課税対象であり、高金利通貨の動きは不安定になる事もあるためそこを見極められる力が必要になってきます。

 

まとめ

昨今、個人でのFX取引が右肩上がりに増加していることをご存じでしょうか?令和4年には個人取引が1京円(つまり兆の上の単位)にまで達し過去最高記録を更新しました。ではなぜFXがこんなに人気が出たか理由を説明していきましょう。先程申し上げた長期的にスワップポイントなど狙うキャリートレードに対して、外国為替の値動きを捉えて売買を繰り返すのが短期トレードになります。この短期トレードは仕組みが複雑ではなく、為替の上下を予測し、上がる事で短期的に大きな利益を得る事が出来るので博打的な要素があり、一般の方にも手が出しやすかったと言えます。またFXは金利の低い日本円は金利の高い外貨を買うという事になるので、リスクも低いというメリットがございます。

給料が上がらず、ロシアのウクライナ侵攻で燃料や食料が高騰していた日本ではおいしい話だったかもしれませんね。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

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